野田氏は2010年9月と2011年9月に帝国ホテルで政治資金パーティー「野田聖子さんのさらなる飛翔を期待する会」を開き、その際、参加者に顔写真入りの「クオカード」をお土産として渡した。
資金管理団体「二十一世紀の会」の政治資金収支報告書には2010年分に50万円、2011年分は56万円が「記念品(クオカード)」の製作費として計上されている。パーティーの参加者は両年とも約1000人だったから、額面500円で1000枚製作したとすればほぼ配りきった計算だ。その中には当然、地元選挙区から出席した後援者たちもいたから、有権者に「金券」を配ったことになる。
これは露骨な公選法上の「違法寄付」や「買収」ではないのか。上脇氏はこういう。
「政治資金パーティーの場合、カネを払った出席者は対価を得る権利が法律で許容されている。ただし、それは有権者が自分でパーティー券を購入していた場合です。お金を払っていない地元からの出席者にクオカードを配れば違法だし、飲み食いさせただけでも公選法で禁じている『違法な寄付』になる可能性が高い」
通常、政治家のパーティー券は後援企業が何十枚も一括で購入して社員や得意先に配って参加者を動員することが多い。カネを払っていない出席者は当然いる。もちろん記念品(お土産)は無料招待者にも全員に配布される。そういう出席者が地元から一人でも来ていたら野田氏はアウトだ。
野田事務所の説明は、「クオカードは、参加された方に記念品としてお渡ししている。選挙区の方も参加されているが、パーティー券を自分で買ったかどうかは特に考えていない。それをいうと食事も出せない」と、「うちわ」以上に苦しいものだった。
※週刊ポスト2014年11月14日号