芸能

呼吸不全で死去の中島啓江さん 肥満の原因に父親のDVと過食あり

《私はこの体型が気に入っている。ダイエットなんて考えたこともない。それが私の生き方》。あるインタビューで、11月23日に亡くなったオペラ歌手・中島啓江さん(享年57)は、身長165cm、体重170kgともいわれた自らの体についてそう語った。

「11月17日に“息がしづらく苦しい”と中島さんから事務所社長に電話があったんです。そこで、マネジャーが彼女を病院へ送り届けました」(事務所関係者)

 以前から、肥満により肺と心臓が圧迫され、酸素がうまく取り込めていないと医師に指摘されていた中島さん。この日も、検査をすると血中酸素濃度が低く、酸素吸入をして大事をとって入院した。当初は切迫した様子もなく、彼女自身はすぐに自宅に戻るつもりだったという。

 ところが翌日、医師から退院の許可は下りなかった。都内で講演会を予定していた中島さんは、一時外出を申請して会場へと向かった。

 そして、11月23日の朝、容態が急変する。意識不明に陥ると、医師らの懸命の処置もむなしく、帰らぬ人となった。あまりに突然の出来事に、親族や事務所関係者も彼女の最期に立ち会うことができなかったという。

 大きな体が印象的だった中島さん。オペラ歌手は、声を共鳴させるため、あえて太っているほうがいいという考えもある。しかし彼女の場合、肥満の原因には幼少より受け続けた父親からのDVと過食があった。

《理由もなく、いつもどなっていた。酔って暴れ、物を投げる。母をける。その声を聞くだけで、体が固まり、心臓がドキドキした》

 かつて中島さんは雑誌のインタビューで当時を振り返り、壮絶な日々をそう語ったこともあった。彼女の右手首には、父親が包丁を振り回した時に、母親をかばってついた傷が生々しく残っていたという。

 1996年12月に、母親がくも膜下出血で入院。翌年8月に亡くなるが、母親が入院している9か月の間に、父親からのDVを一身に受け続けたストレスから、さらなる過食症に陥ったという。

 しかし、そんな状態でも仕事を続け、父親のために部屋を借り、無心にくれば金を渡した。その父親も肺がんのため2007年に他界したが、気づけば50代のおひとりさま。生活を律する人もおらず、一度増えた体重はなかなか元に戻らないどころか、2009年には190kg目前に迫った。

 今回、彼女の命を奪った“呼吸不全”について、医学博士の狭間研至氏はこう解説する。

「呼吸器の機能が低下し、体中に充分な酸素を送れなくなるのが呼吸不全です。これ自体は病気ではなく、肺炎などの呼吸器の疾患によって引き起こされます。中島さんの場合、心臓や肺への圧迫に加え、首回りの脂肪も呼吸のしづらさに拍車をかけていたのでしょう。この状態が続くと、日中の眠気や起床時の頭痛、全身の倦怠感などにつながります。重症化すると心臓に負担がかかり、意識障害やこん睡など、命を危険にさらす可能性もあります」

※女性セブン2014年12月18日号

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段通りの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
《名誉毀損で異例逮捕》NHK党・立花孝志容疑者は「NHKをぶっ壊す」で政界進出後、なぜ“デマゴーグ”となったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン