ビジネス

東大合格請負人「挨拶ができない子は東大に行けない理由」

1200名を教えてきた時田先生。家に入った瞬間にわかることとは

 偏差値35の高校生を1年2カ月で東大合格へと導いた実績を持つ、いま注目の受験コンサルタント、時田啓光氏。氏は自身の実績から“東大合格請負人”を名乗るが、大手予備校に所属する講師ではない。口コミや教え子の紹介などによる家庭教師や塾講師など、草の根的な指導を通じて、1200人以上の生徒を教えてきた。東大に合格する子の特徴とは何か? 引きこもりになる家庭の特徴とは何か?

 受験を通じて親子を見つめ続ける時田氏の、熱く確かな言葉が響くインタビュー【後編】です。

 * * *
――“東大合格請負人”の先生ですが、様々な生徒を教えていらっしゃるのですね。

時田:はい。私の生徒は小学生から高齢層の方々まで、成績も学びたいことも様々です。仕事柄“東大合格請負人”と名乗らせていただいておりますが、もちろん皆が東大に行く必要はありません。私は人に教えたり、人から教わったりする相互のやり取りが大好きで、この仕事は天職だと思っています。勉強がしたい方なら学生に限らず、50代や60代の方も教えます。

――先ほど、偏差値35だった高校生が東大に合格するまでの道のりをお聞きしましたが(【前編】に掲載)、東大に合格する子と、しない子の“差”を挙げるとしたら、何でしょうか。

時田:もちろん色んな特徴や個人差があるのですが、東大に行けない子の特徴を一つ挙げるとしたら「挨拶ができない」こと。

 挨拶ができないということは、他人に対して心を開けないということなんですね。もっと言えば人を信用できない。心を開かせるのも教育だと言われれば、それはそうなのですが、そのためには私の指導とは別のアプローチや長い時間が必要だと考えていますので、そういう方の指導はお断りさせていただくことがあります。受験勉強にはやはりコミュニケーション能力が必要になります。

――先生とコミュニケーションをとる能力が必要、ということでしょうか。

時田:一つにはそうです。私の指導方針は「教え合う」ですから、コミュニケーションがとれないと機能しないんです。こちらからの質問に回答する気がない生徒とは、授業が成り立ちません。もう一つ、受験勉強自体がコミュニケーションを学んでいるんです。出題者の意図をくみ取って回答する能力がないと、とりわけ難関校の試験での正解は得られません。特に国語の文章読解にはコミュニケーション能力が求められているのですが、どの科目においても、多かれ少なかれ必要になります。逆に言えば、他人を受け止める力のある生徒は、しかるべき方法で勉強をすれば、必ずできるようになります。

 もう一つ挙げるとしたら、「好きなものをもっているかどうか」ですね。お話しした偏差値35の子は“野球バカ”で、野球を応用して勉強もできるようになっていったわけです。

――でも、好きなもの、やりたいことがない子っていますよね。

時田:います。どっちでもいい子ですね。勉強ができるようになりたいわけでもなく、だからといって、他にやりたいことがあるわけでもない子。そういう子は伸びにくいですね。そういう状態の子には、何もさせないほうがいいと思います。

――勉強もさせないほうがいいということですか。

時田:ええ。そういう子はまだ好きなものが見つかっていないか、自分で見つけたり判断することに慣れていないんですね。常に周りから与えられたり、これをしなさいと決められて育つと、そうなりがちです。

 以前、そうした“どっちでもいい子”の指導を頼まれたことがあって、その時は勉強をやめて、「行きたいけど、まだ行ってない場所があれば行こう」と街に連れ出しました。その子がじっと見てるものがあると、「あれが好きなの?」と聞いてみる。その時は「わかんない」と答えましたが、理由はわからなくとも自分が惹かれものを探していくことで、好きなものは見つかっていくはずです。これがやりたい、これが好きという自らの意思が、受験勉強でも必ず必要になります。

関連キーワード

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン