千葉の松戸も、東京まで乗り換えなしでわりと近く、東京に比べ家賃が安いのはもちろんのこと、駅前に商業施設も揃い飲食店街も充実。もともと歴史ある宿場町である街ならではの趣も魅力だという。
「松戸というと、ベッドタウンという印象がありますが、古くは宿場町だった良さを活かして、街を元気にしようという動きが盛んです。宿場町だった通りにある古い建物を中心としたイベントがあったり、それらを住んだりアトリエにできるよう改築したり、面白い活動をしていると松戸は住宅関係、街作り関係から注目されています。町興しも行政ではなく住んでいる人たちが自ら動いているので、これからも街が大きく変わる可能性がある。地元のお父さん方のネットワークがありますし、参加型イベントがある街は住んでいて楽しい。物件も新築、中古、安い物件から幅広くあるので選びやすいですよ」
昨年から今年にかけて、単身もファミリーも共に地方移住が増えているのも特徴的。
「家賃の高い東京を離れて環境の良いところで住みたいと、地方移住が増えています。求人も意外にありますし、さらにサロンや飲食店を開いたり、自宅で仕事できる人ならOK。東京の感覚を持っていけばそれなりに受ける。しかも東京より家賃が安く増収益もある。実際、成功譚の本も増えています。
単身だと、東京にも通える南房総市やいすみ市などが人気です。他にもわりと話題になっているのは、福岡の都心から近い距離でありながら自然を感じられると人気の糸島市。センスのいい住宅もありながら、理想の暮らしが実現できる。そういう人たちが集まってきていコミュニティーが生まれていて、素敵なカフェやお店もできています。そこに遊びに来る人たちがいるので、商売も成り立つ。このように、移住者を集めて成功している地域があります」
時代と共に、住む人の理想の暮らしも変化しつつある今、憧れの街に住みたいというステイタスのある住まい選びから、住み手それぞれの心地よさを重視する多様な住まい選びへとシフトしつつあるようだ。