玉木氏自身がこの取材を“質問封じの圧力”と受け止め、ブログにこう書いた。
〈今回の記事掲載については取材経緯に不自然な点が多々あり、やはり、自民党による「見せしめ」、「口封じ」の可能性が高いと思われる〉
西川氏のぶらさがり懇談に立ち会った記者も、なぜ西川氏が“玉木スキャンダル”を事前に知っていたのかに疑問を抱いて当然だろう。だが、西川発言をどの新聞も報じなかった。
皮肉なことに、西川氏が辞任すると、ブーメランは再び旋回して今度は後任の林芳正・農水相に向かった。
林農相の資金管理団体「林芳正を支える会」の政治資金収支報告書によると、林氏は2013年10月、地元・山口県の「住吉工業」から100万円、「住吉運輸」から100万円、合計200万円パーティー券を購入してもらっている。玉木氏がパーティー券の購入を受けた8社は所在地が違うが、林氏の場合は2社の所在地も同じ。政治資金規正法の上限150万円という規制を逃れるための分散献金そのもので、こちらのほうが明らかに悪質度は上だ。
産経や朝日は玉木氏同様、林農水相の疑惑も厳しく追及すべきだが、なぜか現職大臣のほうは報じない。そのことで、産経や朝日の分散献金の疑惑報道が、意図的に野党だけに向けられたものであることが強く疑われる。
※週刊ポスト2015年3月13日号