スポーツ

白鵬の乱心 宮城野親方との関係が断絶してしまった事件とは

「どうしてあんなになっちゃったんだろうね」──白鵬をよく知る古くからの後援会関係者は肩を落とす。

「最近は慢心とでもいうか、謙虚さがなくなっている。義理や人情、恩義を忘れてしまったんじゃないか」

 初場所で大鵬の記録を抜き、この春場所で34度目の優勝を狙う白鵬。本来ならば偉業達成を後押しする惜しみない拍手が送られるはずなのに、周囲には落胆の声が広がっている。

 横綱の豹変を世間に印象づけたのは、史上最多となる33度目の優勝を全勝で飾った初場所後の一夜明け会見だった。13日目の稀勢の里との取り直しになった一番について、「疑惑の相撲が1つある」と切り出し、

「なぜ取り直しになったのか。ビデオを見ても最初の一番で勝っていた。子供でも分かる相撲。もう少し緊張感をもってやってもらいたい」

 と、異例の審判部批判をブチ上げた。この発言は協会の大反発を招いた。北の湖理事長は「横綱なんだからもっと考えて発言しないと」と苦言を呈し、師匠の宮城野親方(元前頭・竹葉山)を通じて注意することを明言。ファンからも批判の声が相次いだ。

 何が横綱を変えたのか。発端は2012年4月に起きた、大島部屋との合併問題だったといわれる。相撲ジャーナリストは語る。

「大島親方(元大関・旭國)が定年を迎えるにあたり、部屋の存続が問題になった。当初は部屋頭だった旭天鵬が、親方と養子縁組して後継者になる予定だったが、旭天鵬が現役続行を希望したため、大島部屋は閉鎖されることになったのです。

 そこで旭天鵬や旭秀鵬らモンゴル力士を含む部屋の弟子たちの受け入れ先が問題になったが、手を挙げたのが白鵬だった。モンゴル力士の兄貴分的存在である旭天鵬を招くため、師匠の宮城野親方に頭を下げて大島部屋との合併を頼んだのです」

 大島も宮城野も同じ一門に所属する部屋であり、合併についての問題はなかった(慣習的に一門を越えての部屋の合併は行なわれない)。

 しかも宮城野部屋は所属力士が少ないが、旭天鵬以下、7人の力士を抱えていた大島部屋と合併すれば、協会から力士の育成のために支給される給与も増えて部屋の財政も潤う。宮城野部屋にとっては決して悪い話ではなかった。

 しかし白鵬の申し出は親方に拒否されてしまう。

「結局、大島部屋の力士たちは友綱部屋に移籍することになった。これはモンゴル人力士の兄貴分と横綱が同じ部屋に揃い、“モンゴル一派”の結束がさらに強まることを懸念した協会が、合併を認めなかったからだという見方がある。だから余計に白鵬は納得がいかない。

 モンゴル人に対する差別を感じるのは当然だし、よかれと思って手を挙げた合併話に、宮城野親方が協会の顔色を窺って前向きに動いてくれなかったことが大きな不満だったようです」(同前)

 この一件を機に白鵬と宮城野親方の関係が断絶してしまった。

※週刊ポスト2015年3月20日号

トピックス

“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
反日的言動の目立つ金民錫氏(時事通信フォト)
韓国政権ナンバー2・金民錫首相の“反日的言動”で日韓の未来志向に影 文在寅政権下には東京五輪ボイコットを提起 反日政策の先導役になる可能性も
週刊ポスト
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン