9.11を契機に始まったイラク戦争を日本は全面的に支持したが、2005年にブッシュ・小泉間で協議された日米安保の新指針には、日米が共同して世界の脅威に対処すべしとある。世界の対テロ戦争に協力することをアメリカが要求し、日本はそれを受け入れたのだ。
これは相互に利益が重なるところで協力しようという話ではない。
小泉首相にせよ、安倍首相にせよ、「日米同盟の一番のポイントは価値観を共有していることだ」と言うが、その価値観とはアメリカ流の自由や民主主義、人権思想を指す。それらを世界に普遍化してアメリカの国益を実現することに日本は協力すると言っているのである。
安倍首相の「集団的自衛権」行使容認も、その延長上にある。アメリカ的価値観の押しつけを日本は支援するというのだから、「イスラム国」に敵視されるのも当然である。
日本はアメリカに隷従することで平和と経済的繁栄を守ればよい、という意見もあるが、そうではあるまい。そのうちに、日本人の精神はまったく空洞化してゆく。
現実を一挙に変えることは困難だが、まずは我々日本人がどれほどアメリカに従属し、頭の中の観念や言語空間が“閉ざされたまま”であるかを認識すべきである。それを本当の意味での「独立」「自立」を考える第一歩としたい。
※SAPIO2015年4月号