ストーカーによる凶悪犯罪というと、男性が犯人であることが目立っている。しかし、実際には女性が加害者になるケースも、男性加害者のケースと同様に多いというのだ。
女性ストーカーの行動には「いくつか特徴がある」と、ストーカー問題に詳しいNPO法人「ヒューマニティ」理事長の小早川明子さんが指摘する。
「女性はつきあっている時から徹底的に相手を調べ上げています。人間関係、取引先、親のことなど。女性は筋力がないから、力で男性に勝てない。いざとなったら誰を味方にするか、どこに乗り込むか、頼れるモノを探しています。職場に乗り込む、公衆の面前で泣き叫ぶのも女性が多い。一方、男性は社会的な場所よりもプライベートな空間で行動を起こすことがほとんどです」
また、「いかに自分が傷ついているか」をアピールするのも女性特有だという。
「男性の場合は“死ね”、“殺してやる”などと攻撃的な言動にでることが多いですが、女性は自分が“死ぬ”と言う。また、物を置くケースも多い。玄関前に花を置いたり、植木鉢を少し動かしたり、少しずつ“自分の存在をアピール”する。それが高じると、首を吊るためのロープを駐車場に置いておくなど、“ここに来た”という形跡を残しながら、“いかに自分が苦しんでいるか”という痕跡を残そうとエスカレートする。用意周到で執拗なのは女性ならではでしょう」(小早川さん)
フリーターの北川加奈さん(仮名・30代)の話を紹介しよう。
「彼の携帯のメールを常にチェックしてしまいます。彼は携帯にパスワードロックをかけているので、何か隠しているんじゃないかと不安になって、彼が寝ている間にパスワードを何百通りも入れて解除しました」
加奈さんの行動はストーキング行為と言われてもおかしくはない。
「普通ならここまでやらない、“なぜか止められない状態”は、もうストーキングです。その対象は恋愛だけではありません。息子の嫁が気に入らないといって、嫌みを言い続けたり、家事や育児の様子を監視したりするなどというのもストーカーです。ママ友など友人との間でも、“急にあの人が冷たくなった”、“仲間外れにされた”という思い込みから周囲の人間を“敵”だと見なし、ストーキング行為に発展することもあるのです」(小早川さん)
※女性セブン2015年4月2日号