国内

地方議員 「第2の給料」政務活動費以外に「第3の給料」存在

“号泣県議”こと野々村竜太郎・元兵庫県議の不正支出事件で注目が集まった「政務活動費」だが、喉元過ぎれば熱さも忘れ、地方議員は今も私的流用ともいえる無駄遣いを湯水のように続けている。

 政務活動費は自治体によって異なるが、都道府県議会で最高額の東京都議会は議員1人あたり年間720万円。大阪の708万円、京都648万円と続き、原資はもちろん税金である。

 地方自治法第100条で〈議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費〉と定められているが、使途の自由度が大きいため、実態は地方議員の「第2の給料」と呼ばれている。ジャーナリストの若林亜紀氏がいう。

「昨年、私が調査したところ、政務活動費を使って、スマホやパソコン、政策とは関係のない漫画やベストセラー小説などを購入している地方議員が数多くいました。また新年会の参加費として1月だけで86回分、計約50万円を支出していた東京都議もいた。実態として、地元に顔を売るための“宴会費用”と取られかねない使い途です。

 他にも、法律で認められていない自宅兼事務所の賃料の一部、高級外車『BMW』のリース代、国会議員のパーティー券購入に政務活動費を流用していた地方議員がいました」

 県議だけでなく、市議にもたっぷり支給される。全国トップの横浜市では年間660万円も支払われる。現職県議の話だ。

「本来、政務活動費は個人の政治活動に使ってはいけないのですが、実際は自分の顔写真を載せた議会活動報告書を新聞の折り込みチラシなどに出す費用を政務活動費で払っている議員は少なくない。自戒を込めていえば、自治体からこんな“補助金”をもらっておいて、本気で県の予算案を追及できるわけがない」

 地方議員には「第3の給料」まである。議会や委員会に出席した日数に応じて支払われる「費用弁償」だ。

 都議会では本会議や委員会に出た場合に、23区内などに住む議員なら1日1万円、それ以外は同1万2000円が払われる。交通費名目だが、新幹線に乗って通うわけでもないのに、そんなにかかるはずがない。実質的には日当である。都議会の会期は年間約80日なので、これだけで80万円の収入になる。

 東京都議会は23台の公用車を持っており、議長、副議長はレクサス、自民、公明、民主の3会派の幹事長にはクラウンの専用車があてがわれている。一般議員も残りの18台を自由に手配して乗車することができる。高級車で無料送迎されながら“日当”1万円をもらっているのだ。

※週刊ポスト2015年4月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト