【スマホの電源を切れは正しい】

 ここで、大学生とスマホについて考えてみたいと思います。

 私の見解は、大学での学業においては、信州大学山沢学長が仰るとおり、スマホのスイッチを切る時間、少し距離を置く時間も必要だと思います。言うまでもなくスマホは便利です。ただ、大学における学びでは、書籍を広げて考え事をしたり、仲間と議論する時間も必要です。書籍は情報収集のツールだけではありません。考えるパートナーなのです。これに向き合い、考えることが重要なのです。研究・教育に熱心な先生は、安易な情報収集手段に走ることを危惧していると言えるでしょう。

 ただ、学生がこれだけスマホ依存になってしまうという現実は、単に「けしからん」というだけではなく、直視すべきです。そこには、想像をこえた利便性や、中毒性があります。ここも理解しておきたいところです。

【講義中のスマホをどうすれば良いかという問題】

 大学教員の現実的な悩みを話しましょう。それは、講義中のスマホをどうするかという問題です。これは、禁止にするべきものなのでしょうか。答は簡単ではありません。

 先日、他大の教員との飲み会(私の就職お祝い会です)で話題になったのが、このスマホ問題です。私も含めて参加した教員の間で出たのは「講義中の私語はNG。だが、居眠りとスマホいじりは容認」という結論でした。判断基準はこうです。私語は他の学生に迷惑がかかります。ただ、居眠りとスマホいじりに関しては、そこに走らないような面白い、中身のある講義をしろよ、と。これは教員の自己責任ではないかと思うのです。

 講義中のスマホは、必ずしも悪だと言えない部分があります。というのも、関連したキーワードをその場ですぐに調べるなどの点において有効だからです。

 最近の大学の教室ではWi-Fiが飛んでおり、学生はPCやタブレットをつなぎ、その場で調べつつ、メモもこれでとります。企業の会議もそうなってきていますね。この利便性も否定してはいけないと思うのです。

 今回の信州大学の学長スピーチとその広がり方は、大学の現実を考える上でもメディア・リテラシーを考える上でも良い教材だと思いました。一大学教員としては、スマホの中毒性に負けないような、意味のある講義をする、良い教科書となる本を書くと改めて決意した次第です。はい。皆さんはどう思いましたか?

関連キーワード

トピックス

山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン