ファンがアカウントをフォローしても、アイドルからのフォローバック(お返しにフォローを返すこと)はあまりありません。仕事の関係者のみをフォローにとどまることが多いです。しかし、地下アイドルの中には(私自身も含め)、全員にフォローバックする人もいます。そのため、フォローバックするアイドルは地下アイドルという印象があり、いままでファンをフォローしていた地下アイドルがフォローを辞めると、「メジャーになるのか」「有名になって距離が遠くなった」など、ファンのあいだで騒ぎになることもあります。
アイドルが関係者以外をフォローバックしない理由はDM機能の仕組みにあります。Twitterは相互フォローすると、お互いだけでメッセージをやり取りするDMを送れるようになるからです。こういったフォローのルールはトラブル防止のためですが、関連ビジネスの事情もあります。メジャーなアイドルは「直メ」といって、ファンの人に直接メールを送るサービスを購入特典や、有料で行っていることもあるので、収益に影響してしまうのです。
メジャーなアイドルに比べるとTwitterでのフォローバック確率が高い地下アイドルの場合、ファンと直接DMをやりとりしている女の子も珍しくありません。ライブ会場での距離が近いとはいえ、他のファンの目が届かないところでコミュニケーションをとることは難しいので、ファンにとってDMは最適なツールといえます。しかし運営にとっては扱いの難しい機能です。そのため、DMを受け取れる環境の地下アイドルでも、たいてい内容を事務所の人間が閲覧しています。ファンが二人だけの秘密だと思ってメッセージを送っても、スタッフが確認しているのです。
極稀にですが、グループのアカウントのみで、個々のメンバーにはアカウントを作らせない事務所もあります。ソロアイドルでも、スタッフのアカウントと共同にしている場合があります。アイドル自身が一人きりでアカウントを使うと、トラブルに発展しやすいツールでもあるからです。
たとえば、アイドルが関係者と揉めた時に、傷心や腹いせを理由にファンと恋愛に発展してしまうことがありますが、そのとき、TwitterなどSNSのメッセージ機能がきっかけとなったケースも多いのです。そういった視点でみると、Twitterを使ってアイドルと交際に発展することは可能なように思えますが、それだけでは難しいのが現実です。メール越しよりも実際に会った方が関係を発展させやすいように、ファンであるならばイベント会場へ足を運ぶことは重要であると考えられます(恋愛要素を抜きにしても)。
出会い系サイトで知り合って結婚した友人もいるので、Twitterをきっかけにアイドルと交際できる可能性がまったくないとは言いません。でも結局は、アイドルとファンも、日常の対人関係とあまり変わらないのです。