馬場の代名詞はいうまでもなく十六文キックで、猪木の必殺技は──のちに卍固めに改良される──コブラツイスト。メインイベント(当時のカタカナ表記はメーンエベント)はBIコンビが外国人チームと対戦するタッグマッチ60分3本勝負で、馬場と猪木がそれぞれ一本ずつ取って2-0、または2-1のスコアで勝利を収めるというのが定番のパターンだった。

 1時間枠の実況生中継には前座を含め2、3試合が組まれていて、メインイベント開始前には若手選手が三菱の掃除機『風神』でリング上をきれいにするのもおなじみのシーンだった。

 BIコンビの試合はだいたいいつも放送終了時間ギリギリの8時46分くらいに終わるようになっていて、放送時間に余裕がある場合は、若かりし日の徳光和夫アナウンサーがリング上でヒーロー・インタビューをおこなうこともあった。

■斎藤文彦(さいとう・ふみひこ)/1962年東京都生まれ。早稲田大学大学院スポーツ科学学術院スポーツ科学研究科修了。コラムニスト、プロレス・ライター。専修大学などで非常勤講師を務める。『みんなのプロレス』『ボーイズはボーイズ-とっておきのプロレスリング・コラム』など著作多数。

※週刊ポスト2015年5月22日号

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