スポーツ

昭和40年代金曜8時プロレス中継 当時の熱狂の様子振り返る

 昭和40年代の金曜午後8時、男の子はみんなテレビの前にいた。ジャイアント馬場の十六文キックが炸裂し、アントニオ猪木が卍固めで相手を沈黙させる。高度成長期をリングに引き込んだ熱き闘いに誰もが熱狂した時代──30年以上もこの世界を追い続け、海外レスラーとの交流も多いライターの斎藤文彦氏が、昭和40年代のお茶の間の熱狂を振り返る。以下、週刊ポスト5月22日号(5月8日発売)からスタートした同氏による連載「我が青春のプロレス ~馬場と猪木の50年戦記~」からの一部抜粋だ。

 * * *
「全国2000万人のプロレスファンのみなさん、こんにちは」

 昭和40年代の“金曜夜8時”のテレビ番組といえば、ジャイアント馬場とアントニオ猪木が主役のプロレス中継(日本テレビ)だった。

 実況・清水一郎アナウンサーによる“全国2000万人のプロレスファン”というオープニングのあいさつは、いまとなってみればずいぶん大げさなキャッチフレーズではあるけれど、その背景には同番組の平均視聴率が20%超という驚異的な数字の力があった。

 金曜夜8時のゴールデンタイムがプロレスの“指定席”になったのは昭和33年8月。日本テレビが新番組『三菱ダイヤモンド・アワー』の放送を開始し、プロレス中継と『ディズニーランド未来の国』を隔週ペースでオンエアするようになったのがはじまりだった。

 それが番組スポンサーの三菱電機(1社提供)の意向であったかどうかはいささかの議論の余地を残すところではあるが、プロレス中継はブルーカラー層の視聴者向け、ディズニーはホワイトカラー層の視聴者向けの番組と分類された。

 昭和36年8月からは『ディズニーランド』が放送される週はプロレス中継が午後10時台(地域によっては午後11時台)に録画で放送される変則シフトが導入され、プロレス中継そのものは毎週、“お茶の間リングサイド”に届けられるようになったが、プロレスとディズニーのどこか不思議な共存は昭和43年2月まで約10年間つづいた。

関連キーワード

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン