芸能

又吉と中学同級生芸人「『火花』のモデルはぼくの予定だった」

又吉の中学時代の同級生芸人、キャラバンの難波麻人

 ピースの又吉直樹(34才)が発表した小説『火花』は、発行35万部の大ヒット作となった。三島由紀夫賞の候補にもなった同作に描かれる芸人たちは、又吉自身を投影したものとも言われている。“無口で何を考えているのかわからない”と評される又吉の素顔を探るべく、中学時代の同級生でもあるお笑いコンビ・キャラバンの難波麻人(35才)に、甘酸っぱい恋の話なども訊いた。

――又吉さんとは中学時代のクラスメイトで、部活は同じサッカー部で仲が良かったとか。

難波:中1の時に同じクラスになって、部活も一緒なので自然と話すようになりました。お互いシャイで、「クラスで目立っていくためにはどうすればよいか?」と教室の後ろで2人で真剣に話していました。そうしているうちに1か月が過ぎ、自分ら以外は皆仲良くなって2人だけ取り残されました(笑い)。サッカー部ではぼくがキャプテンで、まったん(又吉)は副キャプテンでした。部活が終わると2人で砂場に寝転んであれこれ1~2時間喋ったり、かなり一緒にいましたね。

――又吉さんはサッカーの強豪で知られる高校の出身。中学時代は相当厳しい練習をこなしてきたと思います。おふたりとも温和な印象ですが、仲間を率先して引っ張ることはあったのでしょうか?

難波:副キャプテンのまったんが皆にハッパをかけて、キャプテンの自分はそれをまとめる役割でした。部活では50mダッシュを100本とか、顔を上げたら目の前が紫色に見えるキツさ(苦笑)。ある時、顧問の先生が「最後は10周走っとけ」と皆に言ってその場からいなくなったことがあって、他の部員が「キツイから8周でいいや」って。

 まったんは「10周も8周も同じだから10周頑張ろう!」と言うと、他の皆からブーイングが。すると「なんじゃコラ!」と凄んでました。負けず嫌いだし、決めたことはしっかり守ります。自分の中でルールがあって、それを守る人にはやさしいけれど、外れると厳しいですね。

――サッカー以外でも厳しい顔を見せることはあったのですか?

難波:合唱コンクールの時もすごかったです。男子は歌いたがらない中、皆を集めて徹底的に練習させていました。他のクラスより真剣にやりすぎて、課題曲と自由曲それぞれで順位を争うのですが、2曲とも自分のクラスが優勝して、他のクラスから顰蹙をかってました。

――女子にも怒ることはありましたか?

難波:ありましたよ。部活で真剣に練習中、ソフトボール部のボールがまったんのところに飛んできたんです。“すみませ~ん!”と女子がボールをとりにきたら、「向こうでやれや!」と激昂。でも、その女子は男からこんなに怒られたことはなかったらしく、それが原因でまったんを好きになっちゃったんです(笑い)。翌日から練習中に応援しに来ていました(笑い)。

――又吉さんは、けっこう女子からの人気は高かったんですか?

難波:後輩からは人気がありました。練習中も「又吉先輩~」って黄色い声援が。でも、厳しい部活なので顧問の先生はそれを制して、まったんも声援を気にすることなく、淡々と練習していました。

――今でも浮いた話はあまり聞きませんが、当時から女性には興味はなかったんですね?

難波:好きな女の子はいましたよ。それも、ぼくと2回ぐらい好きな女の子がかぶりました(笑い)。おとなしくてかわいらしい感じの、ちょっと不思議な雰囲気の子がタイプでした。ふたりともシャイなので告白するようなことはなく、ぼくとまったんの間で会話して満足してました。

 部活が終わって、好きな子の家の近くにある公園でふたりで喋っているのを毎日の日課にしていたこともあります。女の子の後をつけるとか、家を覗くなんてせず、ただ近くの公園にいるだけで喜んでました(笑い)。でも、1年ぐらいして知ったんです。苗字が同じだけで、その子の家じゃなかった。

――自分から声をかけるなんてできなかったんですね?

難波:積極的にはいけなかったですね。放課後の学校でふたりでいたら、偶然好きな子が帰るところで、その子の名前を呼んだら、軽く手を挙げて挨拶してくれて、それだけで2人で大はしゃぎしてました(笑い)。

 2回目に同じ女の子を好きになった時は、なんとその子の家に2人で行ったんですよ! 「まずお母さんに好かれるよう、手土産を持って行こう!」ってことになって、米と味噌を持って行ったら、ドン引きされて…。まったんは、「姉がお米関係の仕事してて皆に配ってる」と、とっさに嘘を吐いたんです。

――それほどシャイなおふたりが、お笑いの道を志したきっかけは?

難波:ふたりとも高校までは真剣にサッカーはやっていたのですが、その先は自然にお笑いの道に進みました。中学時代に文化祭の出し物などで、まったんと2人だったり他の仲間も交えてコントや漫才を披露する機会が何度かあって、どんどんお笑いに惹かれていったんです。ぼくらはシャイなので授業中に冗談を言ってみんなを笑わす度胸はないけれど、コツコツネタを作って文化祭など人前にでる機会で笑わせるのは、全然恥ずかしくない。何か目標となる場を与えられていればスイッチが入るんです。部活にしろ、優勝した合唱コンクールにしろ。

――そんなに仲が良くて進んだ道も同じなのに、又吉さんとはコンビを組まなかったんですか?

難波:学生の頃に一緒に漫才をしたこともあったのですが、キャラが似てるからうまくいかないんです(苦笑)。

――難波さんは拠点を大阪から東京に移されましたが、再び又吉さんと会う機会も増えましたか?

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン