難波:夜中の2時頃に、まったんから突然誘いのメールがくることがあるんです。“忙しいだろうな~”と遠慮しているのですが、不思議と会いたいと思っている時に連絡が(笑い)。暇な時、仕事の話を聞いてほしい時、寂しい時のだいたい3パターン。寂しい時は、決して「寂しい」とは言わないです。「いま○○で1人で飲んでます」とメールがくる(笑い)。
――普段の又吉さんはどんな人ですか?
難波:よくしゃべるし、ボケる。どこにいるのか尋ねると“宇宙”って返ってきたり(笑い)。カラオケで長渕剛の『マイセルフ』をまったんが熱唱して、夜中に男ふたりで大泣きして、帰りにガールズバーの前を通ったら女の子に「どうですか?」と誘われたんです。まったんは『マイセルフ』と言って通り過ぎました(笑い)。リアクションに困ることをよくしてきます。「後輩にもやってるの?」と聞いてみたら「後輩の間で、どう対応しているのか話題になることがあるらしい」と言ってました(笑い)。
――又吉さんは後輩芸人と3人で同居中ですが、家に遊びに行くこともありますか?
難波:あります。ソファにまったんと2人で座ってテレビを観ていたら、パンサーの向井(慧)君(29才)たちに「距離が近い!」と突っ込まれました(笑い)。
――それほど仲の良い難波さんなら、又吉さんが小説『火花』を執筆している時も何か相談されましたか?
難波:実は、最初はぼくをモデルにってことで取材を受けたんです。中学時代から20年以上経ち、付き合いは長く深いので、何でも聞きやすいと思ったんでしょうね。飲みに行って、上京した時の心境とかいろいろ聞かれて答えたんですけど…。結局、近すぎて書きづらかったのかな。“今じゃない”と思ったらしく、結局ぼくはモデルにはなりませんでした。
――『火花』を読んでみてどう思いましたか?
難波:芸人同士のやり取りはもちろん、中学でサッカーをやっていた頃と変わらない、彼の真っ直ぐな想いが書いてありました。小説に登場する芸人の先輩が、世間とはずれていても自分のルールをしっかり持っていて、それを守らない人には怒る。逆に守る人にはやさしい。仲間を叱咤激励しながら引っ張ったサッカー部や合唱コンクールでのまったんの姿に重なりましたね。