コミックマーケット、通称「コミケ」は、二次創作物やパロディ作品を中心とする同人誌即売会として知られているが、一方でオリジナル作品に限定し、二次創作物を禁止した同人誌即売会も開催されている。それが「COMITIA(コミティア)」だ。
5月5日にも東京ビックサイトで「コミティア112」が開催され、多くの来場者を集めたが、コミケとコミティアの魅力は何が違うのだろうか。同イベントに来場者として参加した男性・Aさん(27歳・IT系)は、こう話す。
「コミティアのサークル参加数はコミケの約10分の1。それはパロディや二次創作物以上に、オリジナルの創作物を作ることが難しいことをよく表しています。その分、各作家さんの熱意や本気度を感じる作品が多いことも魅力。逆に、“売れ線”を気にせず、本当に描きたいことを描いているという自由さも、コミティアでしか味わえないものです」(Aさん)
また年に2回のコミケに対して、4回開催されることも魅力だと語るのは、来場者の女性Bさん(32歳・事務職)だ。
「年に4回開催されるので、続き物のストーリーを作る作家さんも多い。3か月に1冊新刊が出ると思えば、商業誌のコミックスと同じようなペースですから、待つこともそんなに苦ではありません。定期的に好きな作家さんに差し入れを持って会いに行くことができるので、顔も覚えてもらえるのも嬉しいですね」(Bさん)
一方でサークル参加者はどう感じているのか。コミティアに創作物を出品した女性・Cさん(26歳・教師)は次のように語る。
「コミティアに参加している人は、二次創作物よりも儲けを気にせずに自分の描きたいものを描く傾向が強いと思います。自分も趣味として儲けを考えずにストレス発散の創作活動をしている感覚です。売れれば嬉しいけれど、売れなくても自己満足で十分楽しめますよ」(Cさん)
商業作品や二次創作物とは異なり、その会場でしか手に入らない作品が来場者の心を捉えている。また、出品者の自由な創作活動を支援する場でもあるようだ。次回の「コミティア113」は8月30日に開催予定。