能年とレプロとの契約は同年6月までだった。ただし、契約書にはレプロの申し出により2016年6月まで2年間延長できるとの条項があった。
「この時、Xさんやその部下が会社で能年さんと話し合いをしています。場を和ますために部下が笑顔で説明しようとしたら、彼女は“今、笑いましたね。私をせせら笑いましたね”と怒りの表情に変わったそうです。否定すると“今、笑った!”などとヒートアップ。会社中に怒声が響き渡ったそうです」(A子さん)
そして能年をコントロールできないことに責任を感じたX女史は、会社に休養を申し出た。
その後の能年は、「事務所を辞めたい」と繰り返すようになり、事務所の仕事の提案にも、本人の希望にそぐわないと“私は現場に行きません”“行ったとしても怒りでどうにかなって、怒鳴り散らします”などと脅すような文句を返すようになっていった。溝は決定的となった。
昨年6月、事務所の社長が能年と話し合う場を設け、なぜ辞めたいのか説明を求めた。能年の主張はこうだったという。
「仕事をさせてもらえないからです。事実、連ドラは入れてもらえていません。もうすぐ私の20歳という歳が干されて終わる」
社長は、「干した事実はない」と否定。すると能年は「これ以上私から話すことはありません」と席を立ち、止める社長を無視して帰ってしまったという。事情を知る芸能関係者が語る。
「わずか約15分間の話し合いは物別れに終わりましたが、社長は覚悟していたようです。後々、あらぬことで批判されないよう面会の様子は双方が録音したそうです」
能年の代理人弁護士から契約解除を通達する内容証明が届いたのは、会談の直後だった。すぐにマネージャーが能年に電話をしたがつながらない。事務所が借り上げていたマンションからはいつの間にか引っ越していた。
※週刊ポスト2015年6月5日号