ビジネス

ご当地コンビニ 大手チェーンが触手を伸ばす「再編」の行方

北海道で圧倒的なシェアを誇るセイコーマート

 飽和状態といわれながらも、激しい出店争いを続けているコンビニエンスストア。日本フランチャイズチェーン協会の調べによると、2015年4月時点で大手10社の店舗数は5万2417店で、前年同月比で4.5%のプラス。いまも着々と増え続けているのである。

 だが、その内訳を詮索してみると、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの店舗数合計が4万1000店を超えており、ほぼ上位3社でシェアを独占しているのが現状だ。

 そんな中、ローソンの玉塚元一社長が共同通信のインタビューに、〈中堅、下位のチェーンを合わせるとまだ1万店ほどある〉と答え、他チェーンの買収なども含めてさらなるコンビニ再編を仕掛ける構えを見せた。

 ローソンはすでに中国地方を地盤とする中堅コンビニ、ポプラと資本提携を結び、商品の共同仕入れなどをしているが、3位のファミマと4位のサークルKサンクスが予定通りに経営統合すれば、店舗数で逆転される。

 そこで、新たに空白地帯を埋めていくよりも、他チェーンとの協業を深めて事業領域の拡大や、スケールメリットを追う戦略に出ているわけだ。

 玉塚社長の言う通り、地方に行けば大手チェーンにはない特色を持った“ご当地コンビニ”が存在する。コンビニ業界の専門紙『コンビニエンスストア速報』編集長の清水俊照氏協力の下、ローカル色の強い中堅コンビニを紹介しよう。【※カッコ内は4月末時点の店舗数】

■セイコーマート(1158)
 北海道を地盤に1158店を展開。道民のみならず観光客からも強い支持を得ている。牛乳やアイスクリームなど自社開発のプライベートブランド(PB)は品数が豊富で値ごろ感が強い。また、店内調理(ホットシェフ)の弁当や開発輸入のワインなども人気。焼き鳥丼で人気のハセガワストアや北海道SPAR、タイエーはセイコーマートの系列。

■セーブオン(608)
 群馬県が本拠地のコンビニ。スーパーやホームセンターを持つベイシアグループの1社で、共同開発PBは価格的優位性が高い。オリジナル商品には食パンや加工食品などのほか、ビールやエナジードリンクといった飲料も豊富に揃う。また、「挽きたてコーヒー」は元バリスタチャンピオン監修で人気が高い。

■ココストア(グループ合わせて783)
 本拠地は愛知県だが、いまや東北から沖縄まで全国で展開。系列のエブリワンは九州で219店を展開するなど地元で圧倒的な知名度を誇る。4種類の具材が同時に味わえる「ばくだんおにぎり」や、店内で調理する焼きたてパンが人気。

■スリーエフ(560)
 かつて「ヨコハマ生まれのコンビニ」と宣伝していたように、神奈川を地盤に1都3県で展開。地元の朝採れ野菜や果物をはじめ、地場商品に力を入れている。また、suica、楽天Edy、iD、Tポイントなど使える電子マネーが多い。

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン