ライフ

戦時下で日本兵の武士道精神に命を救われた米兵 再会を願う

 戦後70年経った今なお、日本の戦争の負の側面ばかりが誇張されて伝えられているが、本当にそれだけが真実と言えるのか。軍事ジャーナリストの井上和彦氏は、存命の日本軍エースパイロットたちが語る戦場秘話を集めた話題の新刊『撃墜王は生きている!』(小学館)のなかで、もう一つの「戦争の真実」を明かしている。

 * * *
 昭和16年12月10日のマレー沖海戦で、日本軍の航空部隊が、雷撃と爆撃により英海軍の戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」を大破させたあと、イギリス人の乗組員らは日本の航空機が近づくと銃撃されると思って一斉に海に飛び込んだが、日本の航空部隊は英艦に対して「我の任務は完了せり、救助活動を続行されたし」と打電したのである。日本人はアメリカ人やイギリス人が驚くほど、国際法を守って戦争をしていたのだ。
 
 何しろ、そのあと、わざわざ航空機を飛ばして、沈んだ「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」の追悼のために、一つずつ花束を海に投げ入れているのである。まさしく武士道であった。
 
 米軍兵士の証言にも、次のような出来事があったようだ。沖縄戦のときに、米兵が水を汲みに来た少年を見つけたので、保護したところ、人の気配を感じ、はっと見上げたら、二人の日本兵が銃をかまえていた。

 米兵は慌てて、この子供を保護しようとここにいるんだと子供を前に出して示すや、その日本兵らは帽子をとって一礼して、去っていったという。その生き残りの米兵は、命を助けてもらったあの兵隊にもう一度会いたいと願っているという。あれほど凄惨な沖縄戦の最中でも、日本兵は武士道を失っていなかったのだ。
 
※井上和彦・著/『撃墜王は生きている!』より

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン