実は現在の主砲・李大浩もテラス弾は少ない(11本中4本で36%)。「テラスマジック」は、狭くなったという物理的な効果以上に「心理的な追い風」になっているといえそうだ。
阪神OBの亀山努氏もこの効果を認める。亀山氏は現役時代の1991年オフ、今回のテラス設置とは逆のパターンで、甲子園のラッキーゾーン撤去を経験した。
「外野フライでベンチに帰ってくると、“ラッキーゾーンがあったら入っとったな”と話していたのを思い出しますよ。撤去された後は“飛ばさんと入らん”と皆が考えてしまったせいか、力みにがって余計に打ち損じが多くなった。芯に当たればスタンドまで届くと思えば、力みもなくなる。結果的にミート率も上がるし、ホームランも増えると思います」
最近ヤフオクを訪れるビジター球団の選手の中には、「ここはなんだか打球が伸びる気がする」と証言する者がいる。前出のデスクが語る。
「その理由もおそらく、『テラスマジック』の影響でしょう。ここが気圧で膨らませている東京ドームだと、また“空調操作だ”なんて説が出てくるんでしょうが(笑い)、ヤフオクは構造そのものが違いますからね」
※週刊ポスト2015年7月3日号