エース経済研究所の安田秀樹アナリストが、これら株主にくすぶる“モヤモヤ感”を代弁する。
「何十年もソニーの株を持っている人からすれば、ウォークマンやAIBOが登場したときのように、新しいコンセプトでワクワクするような新製品が続々と登場し、その結果として利益が出ることを望んでいます。
確かにイメージセンサーをはじめ素晴らしい要素技術は持っていますが、いまは他社が切り拓いた製品に載せているだけ。ソニー自らが最終製品を開発して新しいライフスタイルを提案する企業風土は失われたままです。
もし、社内で新しい製品を生み出しにくい阻害要因があるならば、早めに見極めて対策を打たなければ、回復成長の度合いは限定的になってしまうでしょう」
総会では、質問に立った株主から「かつてCMで使われていた『It’s a SONY』を復活させてほしい」との声が相次いだ。
ソニー創業者の一人、盛田昭夫氏のアイデアによりブランドイメージを印象づけたこのキャッチコピーを蘇らせるためにも、「これぞソニーブランド」と思わせる斬新な製品開発が欠かせない。