ビジネス

ソニー株主総会 モヤモヤ感拭えず「It’s a SONY」待望論も

6月23日に開かれたソニー株主総会

 ソニーが長く暗い業績低迷のトンネルから、ようやく抜け出す気配を見せていることは当サイトでも報じてきた。しかし、往年のソニーファンや投資家にしてみれば、どうも「モヤモヤした不安」が拭いきれないようである。

 6月23日、都内のホテルで開かれたソニーの株主総会――。議長を務めた平井一夫社長は2014年度の業績を振り返り、最終損益が1260億円の赤字になったこと、そして上場以来初の無配になったことを改めて株主に陳謝したうえで、こう述べた。

「私たちソニーのミッションは、真に魅力的な商品やコンテンツ、サービスを提供し、お客様に感動をもたらし好奇心を刺激する会社であり続けるというものです。

 設立趣意書に書かれている『創造と挑戦の理念』がソニーの変わることのないDNA。この理念は、商品の開発や設計の現場はもちろんのこと、製造、販売、本社部門、エンターテインメント事業や金融事業においても脈々と受け継がれ、この数年間の厳しい構造改革の下でも決して損なわれることはありませんでした」

 つまりこういうことだ。2012年に社長に就任した平井氏は、3年にわたる中期経営計画を掲げ、人員の大量リストラやPC事業からの撤退、テレビ事業の分社化など大胆な構造改革を断行してきた。

 それにより、大幅なコスト削減効果が表れるとともに、スマホのカメラに搭載する高性能なイメージセンサーや、ゲーム機『プレイステーション4』の販売、ネットワークサービスの拡充といった、「成長を牽引する領域」が固まってきたというのである。

 しかし、素朴な株主質問に対する平井氏の回答は、どれも漠然としていて将来の飛躍的なV字回復を期待させるまでには至らなかった。

――固定費削減で社員のリストラもしてきたが、そうした環境の中で本当に人々に感動をもたらす商品が作れるのか。

平井:社内では、いかにお客様にいい製品を届けるかという議論を重ねている。厳しい中でも全社一丸となればこれだけお客様に評価していただける製品もできる。大ヒット、小ヒットいろいろあるが、より大きなWinをつくっていくことが経営陣にとって重大な仕事だと思っている。

――なぜソニーは厳しい経営状況に陥ったのか。内部に問題があったのではないか。

平井:ソニーは価格や機能だけで勝ち抜いてきたエレキメーカーではなく、デザインや商品の佇まい、質感、手触りといったお客様の感性に訴えるものが重なってソニーらしい商品が出てきた。その“感性価値”が注入されなくなった時期があったために、市場で価格とスペックを軸とした競争をし過ぎてしまった。

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン