国内

ストーカーの加害者 「警察に話すほど俺のこと好き」と誤解

 東京未来大学・こども心理学部長の出口保行さんへのお悩み相談。今回は名古屋在住の佳子さん(39才)から人間関係の悩みについてについて回答します。

【相談】
 ママ友の由里さんはプレゼント魔。欲しくもない物をもらうのは、はっきり言ってありがた迷惑。私の気持ちを共通のママ友からさりげなく伝えてもらったら、「遠慮しちゃって。あなたに話すくらいだから、喜んでくれているのね」ですって。なぜ、そうなる?

【解説】
 佳子さんの気持ちが理解できない由里さん。ママ友からでは、真意が伝わらなかったというわけではありません。

 この手の、どれだけ相手が嫌がってもそれを感じ取れない「共感能力」が低いタイプは、“K・Y気質”ともいえますが、それだけでなく、嫌がっていることを喜んでいると歪んで認知してしまうのは、“ストーカー気質”です。

 世にいう「嫌よ、嫌よも好きのうち」と思い込んでいるのです。

 相手がネガティブな感情で返しているのに、それを理解するどころか、「またまた、そんなこと言っちゃってぇ~」と、自分に都合のいい、自己中心的な受け取り方をするのが特徴です。

 心理学ではこれを「エゴセントリック」といいます。自分がよければそれでいいという、一方通行の感情を持っているのが特徴です。

 たとえネガティブな感情が理解できたとしても、「私は好意でやっただけ」と、自分の行為を正当化するので、悪いのはすべて相手となり、逆恨みをすることもあります。

 このように、認知の歪みがあるため相手の感情を正しく推測できないし、感情を推測したとしても、うがった解釈をしていきやすいのが、ストーカー気質の特徴です。

 男性にストーカーされた女性が殺害されるなどの事件が絶えないのも、被害者が警察に相談したことを「警察に話すほど、おれのことを好いているんだな」と歪んだとらえ方をするから。そしてさらに行為がエスカレートするのです。

 このように、ストーカー気質が高い人は、一歩間違えると、エスカレート犯罪といって、どんどんやることが過激になり、最終的には殺人を犯すところまでいってしまいます。

※女性セブン2015年7月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト