「学校の授業料」にしか使えないものと勘違いしがちだが、その適用範囲は意外と広い。小中高や大学の入学金、授業料だけでなく、「学用品費」「修学旅行費」などにも使うことができる。各種学校やインターナショナルスクール、認定こども園にかかる費用も認められる。

 また、学校以外にも「学習塾」「ピアノ教室」「少年野球チーム」などにかかる費用に使うことも認められている。さらに2015年度改正により、「通学定期券代」「留学渡航費用」なども教育費として扱われるようになった。

「この制度では、孫やひ孫なら何人にでも贈与できます。したがって、資産の多い人が孫6人に1500万円ずつ贈与すれば、相続対象額を一気に9000万円減らすことができるのです。

 ただし、もらった人が30歳に達した時点で金融機関との契約は終了となります。その時までに使い切れずに口座に残ってしまったお金や、教育費以外の目的で引き出した分については、もらった人に対して贈与税が課されてしまうので注意が必要です」(福留氏)

 もう一つの注意点は、期間が延長されたとはいえ、2019年3月31日までの時限措置であることだ。孫やひ孫の教育費がいくらかかりそうか、それを彼らの両親の年収と貯蓄で賄えるのかをシミュレーションし、早めに活用を検討することが望ましい。

※週刊ポスト2015年8月21・28日号

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