体外衝撃波結石破砕術は、1回で結石が砕けなかったり、尿管にはまり込んだ石(嵌頓〈かんとん〉結石)を取り出せないことがあるだけでなく、衝撃波による腎臓や腸からの出血の可能性がある。さらに砕けた結石が四方八方に飛び散り、それが核となって結石になる多発性の再発の確率が高いこともあり、適応となる患者数は減少傾向にある。
「レーザー内視鏡は、年々進歩しています。軟性ファイバースコープが登場し、改良・普及が進んでおり、例えば手術中に対象とする結石が腎臓内へ移動してしまっても、腎盂(じんう)・腎杯(じんぱい)までファイバースコープを進め、結石を破砕できるようになっています。こうしたレーザー内視鏡手術後にも、結石の破砕片の自然排石を助ける目的で、METを併用することがあります」(松島部長)
タムスロシン、シロドシン、ナフトピジルなど代表的α1ブロッカーは、前立腺肥大症治療薬として保険承認されている。現在、尿管結石の排石促進としての適応はないが、結石治療のガイドラインには、10ミリ以下の結石に対しては使用が推奨されており、排石治療の選択肢の一つとして効果が期待されている。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2015年8月21・28日号