ライフ

夏場は注意が必要な尿管結石 自然排斥促す「排斥薬物治療」

 尿管結石は、メタボリックシンドロームと強い相関関係があるため、患者は中高年が多かった。しかし近年、運動不足で肉食中心の偏った食生活をしている若い世代にも尿管結石の患者が増えている。

 結石の原因は、運動不足や尿路閉塞による尿流停滞、発汗や水分の摂取量が少ないことによる尿の濃縮、食生活の偏りによる尿の酸性化、尿路細菌感染など様々な要因がある。盛夏は汗で水分が減少して尿が濃くなるだけでなく、ビールなどプリン体を含む食品の多量摂取で尿酸値が上がり、シュウ酸カルシウムが増え結石にがることがある。

 結石は腎臓の中で発生するが、何らかの加減で移動して細い尿管に入り、閉塞すると血尿と激痛で救急搬送されるケースが多い。東京警察病院泌尿器科の松島常部長に話を聞いた。

「石の長径が5ミリ未満で、20センチ以上もある尿管の下部近くまで下りているような場合は、運動と1日3リットルの水分補給で排石を促します。その際、前立腺肥大症で使われるα1ブロッカー内服による薬物治療(Medical Expulsive Therapy=MET)を行ないます。この薬剤は、尿管平滑筋(へいかつきん)を弛緩させる作用があり、結石の排石を助け、疼痛軽減効果もあります」

 結石が5ミリ程度と比較的小さい場合でも、結石により尿管の上部が閉塞され、尿が腎臓に貯留し、圧力が高まる水腎症を起こしていたら、積極的に石を砕く治療を実施する。結石の破砕は、数年前までは体外衝撃波結石破砕術(ESWL)が行なわれていたが、現在はレーザー内視鏡手術が第一選択となっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン