ビジネス

コンビニドラッグ店が拡大 食品や日用品の安売り販売に苦慮

ドラッグストアとの一体型店を拡大させるファミリーマート

 全国に約5万店が点在し、10兆円超の巨大市場に膨れ上がるコンビニエンスストア。近年は生鮮食品や淹れたてコーヒーなど商品の幅を広げることで、スーパーマーケット、ファストフード店といった他業態の需要まで取り込んでいる。

 そして、コンビニが次に侵食しているのが、ドラッグストアや調剤薬局が扱うクスリの品揃えだ。都心部や駅近店を中心に「コンビニ×ドラッグストア」の一体型店舗が増えているのはそのためだ。中堅ドラッグストア幹部がいう。

「いまや一般用医薬品(OTC)は家電量販店やホームセンターなどでも購入できますし、ネット販売も解禁になったことで、ドラッグストアの専門性はどんどん薄れています。調剤薬局と組んで処方箋を受け付けるにしても、薬剤師を多く抱え込む大手に叶わない。

 そう考えると、好立地に店を多く構えるコンビニと連携して販売力を高めなければ生き残れないのです」

 何でも揃う“ワンストップショッピング”が基本のコンビニにとっても、ドラッグストアとの協業話は渡りに船だ。「男性や単身者の主要顧客に加え、クスリを扱うことでファミリーや高齢者といった客層も広がる」(大手コンビニ広報)。

 現在、ドラッグストアとの融合を積極的に推し進めているコンビニは、業界2位のローソンと3位のファミリーマート(以下、ファミマ)である。

 ローソンは2009年にマツモトキヨシホールディングス(HD)と業務提携してドラッグストアとの一体型店舗の拡大を狙ったものの、両社の戦略がかみ合わずに頓挫。しかし、その後はクオール薬局や溝上薬局、今年に入り大手ドラッグストアのツルハホールディングスなど次々と提携して併設店をオープン。2018年度までにドラッグストア機能を持つコンビニを500店に増やす計画だ。

 一方、ファミマはサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループとの経営統合が遅れているものの、ローソン以上に複合店展開に意欲を見せる。コクミン、ヒグチ産業、湘南薬品など16社と提携。8月18日にはヒグチ産業、調剤薬局のファーマライズホールディングスHDと3社で合弁会社立ち上げの発表をしたばかりだ。ファミマ陣営は2018年度までにドラッグ併設1000店規模を目指す。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン