しかし、コンビニとドラッグストアの融合が進むにつれて、新たな問題も起き始めている。コンビニ業界の専門紙『コンビニエンスストア速報』編集長の清水俊照氏が話す。
「ドラッグストアは医薬品だけでなく、安売りの食料品や日用品などを扱って売り上げを伸ばしてきました。例えばティッシュペーパーやペットボトル入り飲料など、同じ商品でもコンビニより安い価格で売っていた品もたくさんあります。
それが併設店に限ってコンビニの一律価格に合わせてしまうと、『ここのジュースは高い』などと消費者の価格意識がますます厳しくなっていく恐れがあるのです。商品ごとの粗利益を考えながら、消費者に違和感を持たれない値踏みをするのに各社とも苦慮しています」
利益をフランチャイズオーナーと分け合うコンビニのビジネスモデル上、「ドラッグストアのように薄利多売では採算が取れない」(コンビニ幹部)こともあろうが、異業種との複合店を展開する以上、今後は値引きによる差別化も避けて通れないはずだ。
消費者にとっては、「家から近くて何でも揃うコンビニ」、しかも値段が安いのに超したことはない。