しかし、「企業がLGBTへの理解を示さず、受け入れに否定的なままでいれば、ビジネスチャンスの喪失につながる」と指摘するのは、元国会議員でLGBTのための婚活パーティーなどを主催する樽井良和氏(LGBTパートナーズ代表)だ。
「たかが7%の少数派とはいえ、〈LGBTの社員に障壁を設けない〉とコンプライアンス的にアナウンスするだけでも優秀な人材が集まってきますし、LGBTに理解ある企業と評価されて商品やサービスが受け入れられやすくなることも考えられます」
職場内での差別や偏見がなくなるうえに、業績にも影響してくるとすれば、企業側も決して無視できないだろう。前出の溝上氏も同じ見方を示す。
「米国の優秀なエスタブリッシュメント層にはゲイのネットワークもあり、企業がその幅広い人脈を活用しようという動きも出ています。
ダイバーシティとは、性別、人種を超えたマイノリティーを支援することによって、企業の社会的な地位を向上させるだけでなく、最終的にはビジネスに結び付けることが究極の目的といえるのです」
日本企業は出遅れたLGBTの受け入れを進め、新たな商機をつかむことができるのか。