安倍首相の“右腕”としてアベノミクスを推進した甘利明・経済再生担当相(66)は、8月1日にハワイで開催された閣僚会合で環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の大筋合意に失敗。意見が対立するニュージーランドの担当者に、「本当にまとめる気があるのか」と声を荒らげて机を叩く焦燥ぶりだったが、次回交渉のメドは立っていない。
安倍首相の当選同期で、第一次安倍内閣では初入閣ながら官房長官を務めた「お友達閣僚」の象徴ともいえる塩崎恭久・厚労相(64)は、今年6月に発覚した日本年金機構の個人情報流出事件でミソをつけた。
最初のウイルス感染から20日後に報告を受けた塩崎厚労相は、「一体感のない対応をしていたことは深く反省している」と陳謝したが、「年金資金運用の改革ではさんざん“大臣主導”をアピールしておきながら、問題が起きた時には責任を取ろうともしない」(厚労省の若手官僚)という姿勢は、調整力不足から第一次政権の「官邸崩壊」を招いた頃と変わっていないようだ。
中谷元・防衛相(57)は安保法制の国会審議で問題答弁を繰り返した。8月に入ってからは核兵器について「弾薬に分類される」と答弁し、法案が成立した場合に自衛隊が核兵器を輸送することは「法律上排除されない」と驚きの発言をしてみせた。「大臣の答弁が法案成立に向けた一番のネック」(自民党中堅議員)といわれる始末だ。
※週刊ポスト2015年9月11日号