リオ五輪出場を目指す


猫:だいたい、日本9か月、カンボジア3か月くらいですね。在日カンボジア人です(笑い)。日本で仕事をして、カンボジアで走ってるんですよ。カンボジアでは完全にランナーなんです。日本は出稼ぎですね(笑い)。

――カンボジアには、お友達は?

猫:選手はみんな友達です。ガイドさんとか、トゥクトゥクってバイクタクシー運転手さんとか。カンボジアって野犬が多くて危ないんですよ。だから走りに行く時についてきてもらうんです。ぼくは走って相手はバイクで、走りながら単語を出してもらったりします。そのほうが覚えるんですよね。あと給水もやってもらいます。

――カンボジアで一番びっくりしたことは何ですか?

猫:マラソン大会で言えば、日本では給水で紙コップが置いてあって、口を潰して飲むんですね、走りながら飲みやすくなるから。カンボジアでも紙コップが置いてあるんですけど、ストローがさしてあったんですよ。飲みやすいと思うかもしれないけど、走ってるとストローが咥えづらいんですよね。それに、肺活量を使うから力を消費してしまうんです。

 しかも飲んだら、中が炭酸だったんです。喉がシュワシュワッとして、みんな吐いてるんです。その大会、メインスポンサーがコカコーラなのに、ペプシコーラが入ってたんですよ(笑い)。日本じゃありえないだろうって。普通は水か、スポーツドリンクですからね。

 あと、去年ぼくが1位になったカンボジアの大会があって、マラソンって42.195kmですよね。なんかタイムがいつもより遅いなと思ったら、GPSの時計を見たら、45kmだったんです。ぼくの時計がおかしいのかなと思って、他の人のを見ても、みんな45kmなんですよ。3km長かったんです。それに対して、誰も怒らないんです。びっくりしますよね。

――日本国籍がなくなって、不便なことは?

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