夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せてきたのは、ご主人(43歳)が商社勤務の奥様(39歳)。ご主人が「脳活ドリル」を買ってきました。
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「日頃、頭の訓練をしてないからな。夫婦で脳を活性化しよう」と、主人が購入した「脳活ドリル」は、クロスワードやナンプレ、漢字しりとりなど色々あるので、飽きずに楽しめます。
次に買ってきたのは中学1年生向けの漢字ドリル。一人娘が中1なので、「親子3人で楽しもう」というわけです。ただ、主人は漢字にすっかり興味を持ってしまい、漢字の成り立ちについての本を買ってきては、娘と私の前で講釈するように。
「『働く』とは『傍(はた)を楽にする』という意味だ。僕が働くのは妻子を楽に生活させるためなんだ」
何か押し付けがましいと思いません? 勉強になるので黙って聞いていたんですが、この前、私が台所にいると、居間で娘に漢字の講釈をする主人の声が。
「良い女で『娘』、家に入った女は『嫁』、そこまではいいんだけどさ、ママみたいに年を取って鼻につきだす女性のことは、女に鼻で『嬶(カカア)』なんだ。漢字って、よくできてるよなぁ。あと、『なぶる』っていう漢字を知ってるか? 男2人に女が挟まれると書いて『嬲る』。意味は……」
台所を飛び出し、「何教えてんのよ!」と怒鳴ると、「ほら、女1人でも凄い怒鳴り声だろ? これが3人寄るとどうなると思う? 女3人で『姦しい』」。うるさいわね、この宿六! 宿は「うちの夫」で、六は「碌でなし」、甲斐性なしのアンタのことよ!
※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号