ライフ

脊柱管狭窄症 おなか脱力腰回し体操で67%が改善のデータも

 背骨には脊柱管(せきちゅうかん)という空洞があり、そこを神経の束が通っている。しかし、加齢とともに腰椎(背骨の腰の部分)が変形すると、脊柱管の中の神経が圧迫され、足腰の痛みやしびれ、細切れにしか歩けなくなる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」などを引き起こす。それが「脊柱管狭窄症」で、国内の患者数は約240万人にものぼるという。

 健康雑誌『わかさ』4月号(わかさ出版)が掲載した、脊柱管狭窄症患者512人を対象にしたアンケートでは、60代以降に発症した人が76%を占めたが、50代で発症した人も22%いた。しかも一度に歩ける距離は「200メートル未満」と答えた人が大半で、症状の深刻さがうかがえる。

 悪化すれば鎮痛薬や血管拡張薬、温熱療法、通電療法、神経ブロック注射などによる治療を受けることになるほか、手術が必要となるケースも少なくない。清水整形外科クリニックの清水伸一院長が話す。

「薬を処方されても治らない人がほとんど。根本の原因である体全体の歪みを正さないかぎり、決まりきった治療法では回復は難しいのです」

 そこで清水院長が同誌で紹介したのが、「おなか脱力腰回し体操」だ。口から息を吸いながら腹部の体幹筋の力で下腹をへこませ、吸いきったところで鼻から息を吐き出すと同時に一気に下腹の力を抜く「腹ペコ脱力」。股関節を支点に5~6秒、足をブラブラ動かす「足ブラ脱力」。腰を回して円を描き、円の前半部分では吸いながら腰周辺の筋肉に力を込め、後半部分では鼻から息を吐き出すと同時に一気に脱力する「腰ブラ脱力」。

 この3種類の脱力体操をそれぞれ1分ずつ行なうだけで、症状が大きく改善するという。

「体が前かがみになると全身の重心がズレてバランスが崩れ、その歪みやひずみが原因で腰の一部に負担がかかり、脊柱管狭窄症を引き起こす。治療には姿勢を正すと同時に、姿勢を保つための体幹筋を活性化することが必要です。高齢者の場合、筋肉を鍛えようとするとかえって危険なので、前かがみの姿勢を起こしてリセットするだけで十分です」(清水院長)

『わかさ』4月号のアンケートによれば、この体操を3か月続けた脊柱管狭窄症患者43人のうち、29人(67%)の症状が改善したという。

「1日3回、朝昼晩。歯磨きのように習慣づけることが大切です」(清水院長)

 シニアに限らず、デスクワークが長く、猫背になりがちな人も試す価値がありそうだ。

※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン