芸能

中村雅俊 アドリブ多かった松田優作との共演体験を回顧する

 アドリブ芝居の多かった松田優作と共演して“表現すること”の難しさを知ったという中村雅俊。その後もさまざまな監督とともに仕事をするなかで、「芝居にはいろんな表現がある」ことを学んできたという。その中村が語った言葉を、映画史・時代劇研究家である春日太一氏の週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』からお届けする。

 * * *
 中村雅俊は1975年に日本テレビの刑事ドラマ『俺たちの勲章』に出演する。これはデビュー作『われら青春!』に続く岡田晋吉プロデューサーの作品で、相棒の刑事役は松田優作が演じた。

「岡田さんが言うには『これは刑事ものではなくて青春ものだ』ということでした。『ただ事件を解決して良かったというのではなく、そのプロセスの中で若者二人が何を感じてどう挫折するのかを描きたい』と。それで鎌田敏夫さんが脚本を書いた。
 
 松田さんは文学座の十二期で、俺は十三期。マネージャーも一緒で、どちらも岡田さんの作品で世に出たというのも含め、共通項は多かったんですよ。それで現場では和気あいあいとやっていたのですが、いざ本番になるといい緊張感がありました。

 あの人は凄く芝居のバリエーションのある方で、アドリブの芝居が多かった。台本と全く別のことを喋ってきたりしてね。ですから、ただセリフを覚えるのではなく、松田さんのアドリブに対して答えがいくつもある中から選んで芝居をしていくというね。
 
 こちらも若造でしたから『台本通りはカッコ悪い』と思って、そういうのを良しとしていました。ただ、アドリブの芝居というのはその場でいいと思っても、冷静に考えると台本通りのほうが良かったということもあるんですよね。
 
 ゲストで来た先輩の俳優さんに『お前ら、台本通りにやれ!』と怒られたことも随分とありました。ですから、表現するということの難しさというのをこの時に初めて知ったように思えます」

関連キーワード

関連記事

トピックス

WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《デートはカーシェアで》“セレブキャラ”「WEST.」中間淳太と林祐衣の〈庶民派ゴルフデート〉の一部始終「コンビニでアイスコーヒー」
NEWSポストセブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン
Aさんは和久井被告の他にも1億円以上の返金を求められていたと弁護側が証言
【驚愕のLINE文面】「結婚するっていうのは?」「うるせぇ、脳内下半身野郎」キャバ嬢に1600万円を貢いだ和久井被告(52)と25歳被害女性が交わしていた“とんでもない暴言”【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《独特すぎるゴルフスイング写真》“愛すべきNo.1運動音痴”WEST.中間淳太のスイングに“ジャンボリお姉さん”林祐衣が思わず笑顔でスパルタ指導
NEWSポストセブン
食欲が落ちる夏にぴったり! キウイは“身近なスーパーフルーツ・キウイ”
《食欲が落ちる夏対策2025》“身近なスーパーフルーツ”キウイで「栄養」と「おいしさ」を気軽に足し算!【お手軽夏レシピも】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
「どうぞ!あなた嘘つきですね」法廷に響いた和久井被告(45)の“ブチギレ罵声”…「同じ目にあわせたい」メッタ刺しにされた25歳被害女性の“元夫”の言葉に示した「まさかの反応」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
遠野なぎこと愛猫の愁くん(インスタグラムより)
《寝室はリビングの奥に…》遠野なぎこが明かしていた「ソファでしか寝られない」「愛猫のためにカーテンを開ける生活」…関係者が明かした救急隊突入時の“愁くんの様子”
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)が犯行の理由としている”メッセージの内容”とはどんなものだったのか──
「『包丁持ってこい、ぶっ殺してやる!』と…」山下市郎容疑者が見せたガールズバー店員・伊藤凛さんへの”激しい憤り“と、“バー出禁事件”「キレて暴れて女の子に暴言」【浜松市2人刺殺】
NEWSポストセブン
目を合わせてラブラブな様子を見せる2人
《おへそが見える私服でデート》元ジャンボリお姉さん・林祐衣がWEST.中間淳太とのデートで見せた「腹筋バキバキスタイル」と、明かしていた「あたたかな家庭への憧れ」
NEWSポストセブン
先場所は東小結で6勝9敗と負け越した高安(時事通信フォト)
先場所6勝9敗の高安は「異例の小結残留」、優勝争いに絡んだ安青錦は「前頭筆頭どまり」…7月場所の“謎すぎる番付”を読み解く
週刊ポスト
アパートで”要注意人物”扱いだった山下市郎容疑者(41)。男が起こした”暴力沙汰”とは──
《オラオラB系服にビッシリ入れ墨 》「『オマエが避けろよ!』と首根っこを…」“トラブルメーカー”だった山下市郎容疑者が起こした“暴力トラブル”【浜松市ガールズバー店員刺殺事件】
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《熱愛ツーショット》WEST.中間淳太(37)に“激バズダンスお姉さん”が向けた“恋するさわやか笑顔”「ほぼ同棲状態でもファンを気遣い時間差デート」
NEWSポストセブン