最近では、キャラなしでテレビに出ることも
ゆってぃ:コンビはすごい人気があったんですけど、26才で解散して。27才からトリオでやっていたんですけど、“ひと笑いも取れない3年間”という伝説を作って解散したんです。それが30才のときだったので、辞めようと思って先代の社長に言いに行ったら、「30才まで芸人をやっていたら、辞められるわけないだろう」って引きとめられて、ピンでやることになったんです。
漫談でいこうと思ったら、マネジャーから「『レッドカーペット』とか『エンタの神様』に出られるようなネタ作りなさい」と言われて。そんなの作ったこともないし、“キャラクター芸人”っていうジャンルはチャライというか、ネタをちゃんとやっていないイメージがあったんです。でも実際にやってみたら難しいし、頭を使うのがわかったんですけどね。
そんなとき、ネタ帳を開いたら“ワカチコ”って書いてあったんです。面白いフレーズだから書いていたんだと思うんですけど。それと王子様のような設定を思いついたので、錦野旦さんの衣装みたいなのをドンキホーテで買ってきて、それを着てワカチコって言う王子様にしたんです。
――そうして、ゆってぃが誕生したんですね。
ゆってぃ:そのあと半年くらいすべり続けてたんですよ、3分間ワカチコと言ってるだけだったので。さすがに意味がわからないなと思って、自虐ネタをしたらウケたんですね。たとえば、「昔は格好つけてたのに、今こんなのやってる」みたいに。それから寝る前に“ちっちゃいことは気にするな”って言葉を思いついたので付け足して、今の形になったんです。
――それからブレイクされるわけですね。
ゆってぃ: でも、しばらくはバイトしてましたよ。ビル掃除の仕事だったんですけど、芸人の仕事が増えて、行けなくなって辞めました。社長に引きとめられていなかったら、今とは別の道に進んでいたと思います。
――最近のネタを教えてください。
ゆってぃ:“海の男”というのをやってます。男は海のように心が広くなきゃいけないと言って、たとえば後輩がこんなマイナスなことを言っていたと。でも俺のほうがこんなにマイナスだ、でも楽しいね、というネタ。
――聞くだけですと、面白さがあまり伝わってきませんね…。
ゆってぃ:わからないと思います、衣装を着て、音を流してというのがないと。このキラキラの衣装とは全然違うキャラですから。海の男用の衣装があって、BGMを流して。まだ新しいので検索しても映像は出てこないと思いますよ。ライブでやってるので、見に来てください(笑い)。
――そのネタをするときは、キラキラの衣装を着ていないんですね。
ゆってぃ:着てないです。なんなら、この衣装着たくないです。地方のイベントの時は構わないんですけど、このスタイルを求められてるので。でも事務所のライブではぶっちゃけ、着たくないですよ。お客さんが飽きる前に、ぼくの方が先に飽きてますからね(笑い)。
【ゆってぃ】
1977年1月25日生まれ。東京出身。人力舎のタレント養成学校・スクールJCAを卒業後、お笑いコンビ・マンブルゴッチ、トリオ・グーニーズを経て、2006年にピン芸人となる。”ワカチコワカチコ”の自虐ネタでブレイクした。『F.C. TOKYO魂!』(TOKYO MX)、『東京03角田&ゆってぃのぶらり作曲の旅』(ミュージック・エア)にレギュラー出演中。