国内

鈴木宗男氏 「説明責任」という言葉が無責任を生む皮肉を指摘

未公開株トラブルの武藤議員

 近年、嫌~な日本語がやたらと使われている。新党大地代表の鈴木宗男氏は、そのひとつとして「説明責任」を挙げる。いったいなぜなのか。鈴木氏が、金銭トラブルを起こした衆議院議員や東京五輪エンブレム騒動を例に解説する。

 * * *
 政治家やマスコミがよく使う言葉に「説明責任」というものがある。いかにも政治家としての責任を問う一見まっとうな言葉だが、最近では乱用されて「責任逃れ」の手段になってきた。

 民主主義国家では、政治家はもちろんのこと、誰にでも「説明」しながら仕事を進める責任があるのは言わずもがな、当たり前のことだ。ところが現在、なにか不祥事が起きると追及する側もされる側も、「説明責任」などと仰々しく飾り立てる。未公開株をめぐる金銭トラブルで自民党を離党した武藤貴也代議士のケースを例にとろう。

 安倍晋三首相は国会で武藤氏のスキャンダルについて問われ「党から、本人に『しっかり説明責任を果たすように』と指示した」「政治家として、しっかり説明責任を果たすべき」と語った。

 これは党として、組織としての「責任」を放棄している。

 武藤氏を公募で選び国会議員にしたのは党の責任だ。それなのに安倍首相は武藤氏個人に説明させて逃げている。本来なら、自民党は彼が提出した離党届をすぐ受理せず「預かり」にとどめ、本人から事実関係を聞くべきだったのではないか。場合によっては刑事告発もありうる。それが組織の国民に対する責任の取り方だ。

「説明責任」という言葉は、個人に「責任転嫁」する魔法の言葉として使われているのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
綾瀬はるかが結婚に言及
綾瀬はるか 名著『愛するということ』を読み直し、「結婚って何なんでしょうね…」と呟く 思わぬ言葉に周囲ざわつく
女性セブン
強く、優しく、凜とした母を演じる石田ゆり子(写真/NHK提供)
《『虎に翼』で母親役を好演》石田ゆり子、プロデューサーや共演者が驚いた“愛される力”「ストレスかかる現場でも動じない人」
週刊ポスト
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン