国内

鈴木宗男氏 「説明責任」という言葉が無責任を生む皮肉を指摘

未公開株トラブルの武藤議員

 近年、嫌~な日本語がやたらと使われている。新党大地代表の鈴木宗男氏は、そのひとつとして「説明責任」を挙げる。いったいなぜなのか。鈴木氏が、金銭トラブルを起こした衆議院議員や東京五輪エンブレム騒動を例に解説する。

 * * *
 政治家やマスコミがよく使う言葉に「説明責任」というものがある。いかにも政治家としての責任を問う一見まっとうな言葉だが、最近では乱用されて「責任逃れ」の手段になってきた。

 民主主義国家では、政治家はもちろんのこと、誰にでも「説明」しながら仕事を進める責任があるのは言わずもがな、当たり前のことだ。ところが現在、なにか不祥事が起きると追及する側もされる側も、「説明責任」などと仰々しく飾り立てる。未公開株をめぐる金銭トラブルで自民党を離党した武藤貴也代議士のケースを例にとろう。

 安倍晋三首相は国会で武藤氏のスキャンダルについて問われ「党から、本人に『しっかり説明責任を果たすように』と指示した」「政治家として、しっかり説明責任を果たすべき」と語った。

 これは党として、組織としての「責任」を放棄している。

 武藤氏を公募で選び国会議員にしたのは党の責任だ。それなのに安倍首相は武藤氏個人に説明させて逃げている。本来なら、自民党は彼が提出した離党届をすぐ受理せず「預かり」にとどめ、本人から事実関係を聞くべきだったのではないか。場合によっては刑事告発もありうる。それが組織の国民に対する責任の取り方だ。

「説明責任」という言葉は、個人に「責任転嫁」する魔法の言葉として使われているのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン