「左右の乳首を結んだ線のちょうど真ん中にある“だん中”というツボを刺激すると、女性ホルモンの働きが促されます。あとはとにかくバストの下から、脇の下から、内側へもみほぐして温めてあげること。脇の下にあるリンパ節をぐりぐりほぐしてあげるだけで、循環がよくなって胸の張りも変わってきますよ」
ブラジャーのパッドも、胸をつぶして小さくしてしまう要因のひとつ。正しいサイズ選びからプロに任せるのも大事なこと。本来のサイズよりも過小申告する人は今でも多いと語るのは、下着のフィッティングサロン『Vanite’』代表で育乳トレーナーの原田香菜子さん。
「サイズや着け方をみなさん間違っていますね。間違った下着を着けて、お胸が下垂して位置が驚くほど低くなっている方は多いです。バストトップは二の腕の真ん中の高さが理想と言われ、ここにあるか下にあるかで5才くらい印象が違います。下着でトップの位置を上げてお洋服を着てもらうとシルエットが全然違うので、印象が変わったと驚かれる方は多いです。どんなにいいお洋服を着ていても、お胸が下にあると老けて見えるのでもったいないと思います。
ブラ紐の横からお肉がはみ出しているのも、着け方やサイズが間違っているから。ご本人はBカップだと思っていて実はFという方もたくさんいらっしゃいます。プロのフィッターは少ないですから、知識のない店員さんにBと言われてBと思い込んでいる人は実はとても多いです」(原田さん、以下「」内同)
ブラジャーの紐やワイヤー、アンダーの緩いものを着けていると、もともとあったバストは脇や二の腕、背中、胃の下の肉へ流れていき、太った印象になる。それらを元の胸に集め、“育乳ブラ”で定着させればバストアップは実現可能だという。正しく下着を選ぶにはどうしたらいいのだろうか。原田さんに聞いた。
「ワイヤーの高さが短いと、どんなに脇肉を入れ込んでも逃げてしまいます。ちゃんと脇の下までワイヤーが入っていて、入れ込んだお肉を食い止められるタイプがいいですね。二の腕の真ん中の位置にトップがくるように着用することもポイントです。
育乳のコツは、まめにトイレなどでこぼれたお肉をカップに納めてあげること。育乳ブラを着けるなら、毎日着けることをお勧めします。今日は育乳ブラ、次の日は他メーカーの普通のブラと変えてしまっては、お肉が集合、解散、集合、解散となって定着しませんから」
肌質の柔らかい人は変化が早くて1か月、硬い人は定着までに3か月はかかるとか。最後に、普段から気をつけるべき点について聞いた。
「ノーブラにならないことです。ブラトップも楽ですが、ノーブラと同じ状態なのでちょっとの振動にも弱いクーパー靱帯がどんどん切れてしまいます。クーパー靱帯は切れたら元には戻らないので、動かないように固定してください。できれば寝るときにも夜用のブラを着けていただきたいです」
美は一日にしてならず。バストマッサージも育乳ブラも、続けることがいちばん大事だ。