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失敗の住基カード運用者がマイナンバー利権 自民関係者憤慨

 税や社会保障の情報をひも付けて管理する「マイナンバー」制度が来年1月の運用開始を前に、10月から個人番号の通知が始まった。このマイナンバー制度導入に先立って昨年4月に設立されたのが、個人番号カード発行システムの構築・設計などを担う「地方公共団体情報システム機構(通称・J-LIS)」だ。

「このJ-LISの前身は2003年に交付が始まった『住民基本台帳カード』の運営・管理を行なっていた地方自治情報センターで、総務省の天下り団体だ。

 住基カードはマイナンバー導入によって廃止されるが、2000億円もの税金を注ぎ込んだ挙げ句、普及率はわずか5%という大失敗に終わった。その運営を担ってきた組織が今度はマイナンバー利権で潤うのだから、盗っ人猛々しいというしかない」(自民党関係者)

 同機構の今年度の予算750億円のうち、400億円以上が個人番号カード関連の交付金だが、「通知カードの印刷や番号カード交付の際の本人確認に必要な顔認証システムなどは外注している」(同前)のだから、典型的な中抜き団体ではないか。

 それでいて、相変わらず役員には総務省や自治体のOBが居並び、報酬規定によれば副理事長を務める元総務省自治行政局長の年収は1600万円を超える。あまりにわかりやすい構図だ。

「総務省以外でも、厚労省では年金事務所やハローワークでマイナンバー利用のためのシステム構築が必要になるし、財務省もデータ処理センターの新設を見据えている。新たな組織を作り、焼け太りしようとする動きはこれからどんどん加速する」(同前)

※週刊ポスト2015年10月30日号

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