「ジョーンズHCは徹底して、選手をいじめ抜きましたからね。彼には選手に嫌われてもいいという信念があった。ジョーンズHCにいじめられて辞めていった選手は実は少なくない。その反面、チームに残ったメンバーはとことん鍛えられました」(ラグビー批評家・中尾亘孝氏)
HCを信じて苦難に耐え抜き、そして報われた。だから選手たちはアメリカ戦後に涙を流したのだろう。バックアップ体制にもジョーンズHCの徹底があったようだ。村上氏の話。
「この4年間、エディー・ジャパンは今回のW杯で試合会場となる競技場を使ってのテストマッチを組んだり、選手が大会中に泊まることになるホテルを選手自身が事前に見学できるようにしたりと、つねにW杯本番を意識させるよう仕向けてきたんです」
海外遠征や国内での国際試合、合宿などを含め、こうした代表チームの行動には先立つものが必要だ。
「協会に無理をいって、多額の費用をかけてチーム強化をしてきた。今回の日本代表のめざましい活躍に、資金難も少しは解消されるかもしれません」(中尾氏)
※週刊ポスト2015年10月30日号