治療に関しては、ピロリの除菌と同じ薬と、投与方法で除菌可能だ。
「今問題になっているのが、ピロリ菌の除菌による影響です。日本人のピロリ菌感染は20代が20%、60代が50%ですが、ピロリ菌除菌が保険承認されたために除菌が進み、陰性の方が増えています。実は胃粘膜にピロリ菌がいると、ハイルマニイは競合せず感染しません。しかし、ピロリが除菌されると、ハイルマニイの感染が起こる危険性は高くなります」(中村准教授)
感染を防ぐためには、ペットに口移しで餌を与えない、飼い主の口をペットがなめたら、すぐにキレイにふき取るなど感染源との接触に気を付けなければいけない。感染しているペットが身近にいると、除菌してもペットから再び感染することもある。一度感染して除菌後、再度同じ菌に感染すると、リンパ球のメモリー機能が働き、症状が早く起こりやすい。
ペットの除菌は、人間と同じ薬が使えないので、乳酸菌製剤などを利用した感染予防法の開発が待たれる。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2015年10月30日号