国内3位のスカイマークが経営破綻し、実質的にANAの支配下に入った。これにより、かねてから日本の「制空権」を巡ってしのぎを削ってきたJALとANAの2強のパワーバランスに変化がもたらされた。
今回、30代前半の大手紙経済部若手記者のA氏、同じく40代の大手経済紙記者B氏、40代の業界誌記者C氏、長く航空業界を取材してきた50代のベテラン経済ジャーナリストD氏の4人に集まってもらい、この両社の最新状況を「利用者目線」の観点から話し合ってもらった。
B「最近は2強の熾烈なサービス合戦が面白くなっている」
A「ANAが色々と新しい試みをしていますね。スター・ウォーズの便を飛ばしたり、空港内の国内線から国際線へ乗り継ぐ移動をレクサスにしたり」
D「我々も仕事柄、新しい機種やサービスが登場したら試乗するけど、最近は昔に比べて驚くほどグレードアップしている」
C「そうですね。今はビジネスクラスでもファーストクラス並みのサービスが受けられる。個室形式でフルフラットシートのビジネスクラスは、世界に先駆けてANAが導入した」
B「でも負けじとキャッチアップしたJALのフルフラットは、頼むとテンピュール製のマットレスまで用意してくれる。この寝心地はなかなか」
A「機内食も本当においしくなりましたよね」
D「細かいところだけど、気になるのはビジネスクラスのパンの質だね。JALがフランスの一流店・メゾンカイザーのパンを提供しているのに対して、ANAは一流メーカーのバターを取り寄せている。きめ細かさではANAに軍配かな」