ファッションアドバイザーの植松晃士さんが、世のオバサマに美しく生きるためのアドバイスをします。今回はLINEやメールなど、ネットを介したコミュニケーションのマナーについての解説です。
* * *
実は私、LINEの既読スルーがすごく嫌なんです。だから親しいかたには、「“了解!”だけでいいから返信してね」とお願いしています。
もちろん、SNSとのかかわり方には個人差があって、「このかたはいつも返信がごゆっくり」とわかっている人なら構わないんです。SNSは“21世紀の電報”ですから、地域差があります。
しかし雑談でなく、仕事のメールは話が別です。たとえば日程の確認などで、私が「スケジュールは○日の△時スタートですね。持ち物は○○○でよろしいでしょうか」というメールを出したとします。
常識的なかたであれば、「結構です。よろしくお願いします」といった返事をくださるものですが、ごくまれに、「内容に間違いがなければ返信しない」というポリシーを貫いているかたがいるんですよ。
そもそも確認メールは、お互いの認識が間違っていないか、確信を得たいから出すもの。それなのに何の返事もなかったら、「私の出したメールを読んでくれたのかしら?」と心配になってしまいます。
それで「メール読んでくださいました?」と電話をすると、「ああ、大丈夫ですよ~」みたいな呑気な返事が返ってくる。「悪いけど、そういうときは、“OKです”のひと言、お返事くださらない?」とお願いしても、次もやっぱり返信してこないんですよね。
こまかな話ですが、連絡のひと手間を掛けられる人と、そうでない人では信頼度に大きな差が出るのは当然の話です。
私たちは誠意をもって仕事をしてはじめて報酬としてお金を得られるわけです。ところが世の中には、“利は得たいけど、手間は惜しむ”という人がなんと多いことか。こんな人に“仕事の神様”が微笑んでくれるはずがなく、実際、手間を惜しんで成功している人を見たことがありません。
これは仕事に限ったことではなく、お友達関係にもいえることです。 人間、年齢を重ねると、誰しも知らぬ間に頑固になってしまうものですが、ときどき立ち止まって、自分の“聞く力”を振り返らないと。そう心に誓ったのでした。
オバさん、万歳!
※女性セブン2015年11月5日号