「東京IPO」元編集長の西堀敬氏はこう見る。
「郵政株を買うために同業他社の換金売りが増えているといわれますが、まだ上場していない郵政株を買うために事前に売っている投資家は少ない。実際に換金売りが本格化するのは上場後であり、ここ半年くらいは同業他社が売られるリバランス(投資配分の調整)が起こる可能性がある」
株式経済新聞編集長の冨田康夫氏が注目するのは「高配当利回り銘柄」だ。
「郵政株に注目する個人投資家には、値上がり益よりも配当狙いの人が少なくない。配当利回りはかんぽ生命が2.5%、ゆうちょ銀行が3.5%なので魅力的です。一方で、電力株は高配当利回り銘柄として注目されてきましたが、配当狙いの投資家の間で電力株を売って郵政株を買う動きも起こっています。
そうした動きは郵政株上場後には落ち着くでしょうから、電力株は今が底値圏といえるかもしれません。東京電力や関西電力は配当していないので、配当利回りが比較的高く業績も堅調な中部電力や沖縄電力、J-POWERなどに目を向けてみる手もあるでしょう」
目を凝らして、郵政株の「上場祭り」をうまく乗り切りたい。
※週刊ポスト2015年11月6日号