日本郵政グループ3社(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)の超大型IPO(新規上場)が11月4日に迫り、市場の期待は高まる一方だ。ネット証券では申し込み倍率が100倍以上に達したところもあるという。だが、郵政3社上場で狙い目なのは“本丸”の郵政株ではなく、むしろ「関連銘柄」だと指摘する専門家もいる。
本誌8月14日号では、郵政株上場を前に、郵便局限定の販促グッズを手がけるレッグスや、日本郵便が導入を検討している電子私書箱を手がけるソフトフロントといった関連銘柄に「連れ高」の期待が高まっていると報じた。
だが、カブ知恵代表の藤井英敏氏によれば、「関連銘柄の物色は売り出し価格が決まった時点で終わっている」という。
「それよりも郵政上場に伴って売られる銘柄のリバウンドを狙う方が確実性は増すでしょう。それらの株は機関投資家が郵政株を買う資金を捻出するために売られるだけであって、業績が悪化したとか悪材料が出たわけではない。市場が冷静さを取り戻せば、株価が戻る可能性が高い」(藤井氏)
具体的には、ゆうちょ銀行と同業の三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3メガバンク株、あるいはかんぽ生命の類似業種であり、大手生保では唯一上場している第一生命保険や大手損保3社の損保ジャパン日本興亜ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、東京海上ホールディングスなどに注目だという。
「ただ、これらの銘柄は小型株のような大きな値幅は期待できません。数十%の上昇を望むのではなく、数%単位の上昇率で狙うのが現実的です。そうなると少額ではなく、ある程度自己資金を分厚く投入して、細かい値幅できっちり利益を確保する売買が必要となります」(藤井氏)