主演・水谷豊(63)と新相棒役、反町隆史(41)の掛け合いが注目されていた『相棒シーズン14』。蓋を開けてみれば第1話18.4%、第2話17.6%と好調。第3話は14.8%だったが、今クールのほかのドラマに比べれば、順調な滑り出しと言っていいだろう。専門家はどう見ているか。
ドラマ評論家の成馬零一さんはこう評価する。
「久々にキレのある『相棒』を観ている感じがします。反町さん演じる法務省のキャリア官僚、冠城亘(かぶらぎ・わたる)はシリアスなキャラになるかと思っていましたが、愛嬌があって、華のある人物でした。近年の反町さんは、情けない父親役などで大人の演技もこなせるようになってきていますが、元々は代表作『GTO』のようなお調子者キャラだけど華のある男を演じるのを得意としていました。。この冠城という男は、久々に反町さんらしいキャラクターで、何をするかわからず底が見えません」
面白くしているのは反町の好演だけではない。旧相棒と新相棒のある違いが、先の読めないストーリーを作り出しているのだという。
「水谷さん演じる杉下右京は天才刑事ですが、事件解決のためにはルール違反もする。警察という組織内ではある意味、危険な男です。これまでの相棒役は、その右京の暴走を止めてきた側面もあるのですが、新相棒の冠城は右京同様にムチャをします。どちらも攻めのタイプで抑止力がないから、ストーリーがどう転がっていくか読めません。また、二人とも本音を見せないので、その駆け引きにも面白さがあります。
これまで数々の難事件を解決してきた右京は、誰も超えられないくらい強い存在になってしまいました。右京に対抗する強いキャラを出す必要があったところに、冠城という男が入ってきた。これまでの『相棒』を壊すという意味では、今のところうまくいっていると思います。この組み合わせなら、初回のようなスケール感のあるストーリーでも『相棒』らしくなります」(成馬さん)
これまで映画化もされてきた『相棒』だが、もしかすると映画のスケールに最もふさわしい相棒は反町なのかもしれない。
ネット上などでも、“相棒・反町”の評判は上々だ。反町効果で新たなファンを獲得している貢献度の高さは見逃せない。放送が始まる前、一部では「反町は1シーズン限りで、次の相棒までのつなぎ役」とも囁かれていたが、簡単に手放すのはもったいないのではないだろうか?
「反町さんの相棒がこの後のシーズンも続くかどうかは、正直わかりません。先が読めないのが『相棒』。3代目も、誰も予想できない終わり方でしたから」(成馬さん)
続投というサプライズはあるか?