身に覚えがないのに「尻を触ったでしょ!」などと騒ぐ被害女性に、繰り返し「やっていない」と言い続けた上で、どういう根拠で犯人だと決めつけるのかを問い、「それ以上でたらめを言うと、名誉毀損で告訴します」と明確に宣言することをすすめているのが、最高検検事を務めた日比谷ステーション法律事務所の弁護士・粂原研二さんだ。

「名誉毀損で訴えると告げることで対等な立場になり、一方的に犯人扱いすることにブレーキをかける効果があります。女性側にも警察にも、より慎重な判断や捜査を促すことができ、女性側が勘違いしたり相手を間違ったことを気づかせるきっかけになることもあります」(粂原さん)

 あとは「痴漢よばわりされたので、名誉毀損で告訴の手続きをしたい」と巡査部長以上の警察官に話して、必要な手続きを進めればよい。

 最近は録音機能付きのスマホを使う人が増えたが、これらの機能や小型ICレコーダーで被害者とのやりとりを録音することを推奨しているのが、ステップ法律事務所の弁護士・小林万真さんだ。

「どんな被害を受けたのか、どの駅からどの駅まで被害を受けたのか、立ち位置はどこだったかなど、被害者の言い分を聞き出して録音。できればPCにメール送信しておくと、警察にスマホを没収された後でも弁護士が確認しやすく有効です」(小林さん)

 こうした現場での初動対応ポイントを、つね日頃から夫婦で共有しておきたい。

※女性セブン2015年11月12日号

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