日本が世界に先駆けて2010年に打ち上げた宇宙ヨット「イカロス」の開発では、ある伝統文化がヒントとなりました。太陽光の圧力で航行するため、宇宙で広げる一辺14mの巨大な帆を折り畳む際、折り紙の技術を転用したのです。広大な宇宙と小さな折り紙の融合とは、実に夢のある話です。
伝統文化が称賛される一方、外国人がネガティブな視線を向けるのがフィギュアとゆるキャラです。ポップカルチャーの代表である両者だけに意外な反応ですが、基本的に海外では「マンガやアニメは子供の文化」とされて、大人がそれらに熱中するのは「幼児的」「成熟していない」とみなされます。多くの外国人は、警視庁のマスコットがピーポくんという現実に「ふざけているのか」と青ざめます。
ところがコスプレには一転、「立派な自己主張だ」と肯定的な意見が増え、ゴスロリファッションやメイドファッションのファンという外国人も大勢います。日本のポップカルチャーは賛否両論なのです。
※SAPIO2015年11月号