ビジネス

ポッキーのチョコなし部分 アイディアの源泉は大阪の串カツ

ポッキーの超大型自動販売機と三木孝司氏

 今年で誕生50年目を迎えたポッキーは、日本を含め世界約30か国で年間約5億箱、3.8億ドルを売り上げる巨大ヒット商品だ。しかし製造元の江崎グリコは、5年後には国内外で年商10億ドル(約1200億円)と、今の2倍以上の販売目標を掲げる そもそも、ポッキーが50年にわたり売れ続けてきた理由とは何なのか? 作家の山下柚実氏が、大阪・西淀川区にある江崎グリコ本社を訪ね、その秘密を探った。

 * * *
 本社の敷地にある「江崎記念館」入口で、大きな赤い機械が私を待ち受けていた。

「25年ほど前、実際に使っていたジャンボポッキーの自動販売機です」

 脇に立つ同社マーケティング本部・三木孝司氏(33)の背丈と比べると、その巨大さが実感できる。この自販機は、ポッキーの歴史を振り返る特別展の展示物だ。誕生から50年目の今、「コアバリューとして強く打ち出している言葉があります」と三木氏は口を開いた。

「『Share happiness!(シェア ハピネス)』という言葉です。ハッピーな場面にはいつもポッキーがあり、みんなで幸せを分かちあえるチョコスナック、そんな意味あいを込めています」

 実はこのキーワード、ポッキーのある際立った「特徴」から生まれてきたという。その特徴とは何か。

「ポッキーには持ち手部分があるので、話をしながらでも食べやすい。板チョコのように一人で食べるお菓子というよりも、みんなと一緒に、分け合いながら食べるシーンにぴったりです。また、様々な世代が馴染んでくださっているので、おじいちゃんとお孫さんなど世代を超えてシェアしやすい。『ハッピーな場面にはいつもポッキーがある』という思いを込めました」

 時代はたしかに、モノよりコト。小腹を満たす以上に、「楽しい」と感じる体験そのものが求められている。しかし、お菓子である以上、まずは味がポイントでは?

「もちろん味については50年目の今も時代に合わせて進化し続けています。今回のリニューアルでは軸に植物油脂をコートし食感を滑らかにし、チョコの口溶け感も向上させました。その上で、あえて味や食感に留まらない提案として『幸せ(ハッピー)を分かち合えるお菓子』という位置づけを明快に打ち出しました」

 と三木氏は言った。

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン