ラキシスはフローラSで11着と完敗したあと、ぐっとメンタルが成長しました。猛省したんでしょう。ちなみにこのときの1着は同厩のデニムアンドルビー。レース後、「なにやってるのよ。あなたなら、もっと走れるでしょう?」と叱られたのかもしれません(笑い)。
秋は条件戦の2勝をはさみ、いきなりエリザベス女王杯に使いました。これもかなり強引ですが、ラキシスがさらに成長する好機と見ました。オークスと秋華賞を勝っていたメイショウマンボに完敗したものの、2着に頑張ったのは、とてもいい経験でした。このとき角居舎からは他に3頭(デニムアンドルビー、オールザットジャズ、ディアデラマドレ)出していました。春に完敗したデニムアンドルビー(5着)を見返せたことも収穫でした。
昨年の鮮やかな差し切りには、そういった経緯がありました。
格上挑戦成功の好例です。その後、ラキシスはデニムアンドルビーやディアデラマドレ(2014年エリザベス杯で3着)と良きライバル関係を築いています。頭が良くて真面目。ラキシスが期待に応えてくれたので、舎全体がパリッとしてくるんですね。今度は、彼女が後続を引き上げる立場になると思います。
※週刊ポスト2015年11月20日号